寓話:『火の前で語られるもの』 二話

寓話:『火の前で語られるもの』 二話

そこへ、年季の入った職人が通りかかった。

彼は火をちらりと見て、
若者の背中を見て、
ふっと笑った。

そして一言。

「黙って火を見ているなよ。
人生を語りだすからな。」

その場にいた者たちは、
一瞬の静けさのあと、
皆、声を上げて笑った。
若者も照れくさそうに笑った。