思い出の匂いがふと蘇った朝

その朝、
風に乗って懐かしい匂いが胸をかすめた。

男はその匂いの奥に、
もう戻れない時間の影を見た気がした。

男は卓上灯炉に火を灯し、
クッカーから出る湯気がその記憶をやわらかく揺らす。
猫は鼻をひくつかせ、その気配を感じていた。

男は淹れたてのコーヒーを一口味わい、
そして小さく呟く。

「友よ、匂いは心の奥に道をつくる」

トゥイーブ。

余白の方へ。