すれ違っただけの人を思い出す瞬間

その瞬間、
名前も知らない誰かの姿が浮かんだ。

男はその曖昧な記憶が、
なぜか胸に残っていることに気づいた。

男は卓上灯炉に火を灯し、
クッカーから出る湯気が記憶の影を揺らす。
猫は首をかしげ、その曖昧さを感じていた。

男は淹れたてのコーヒーを一口味わい、
そして小さく呟く。

「友よ、すれ違いにも物語はある」

トゥイーブ。

余白の方へ。