春の雨上がり

その午後、雨はちょうど止んだばかりだった。
濡れた地面からは、春の匂いがふわりと立ちのぼる。

男は灯炉に火を灯し、
湯気が雨上がりの光を受けて柔らかく揺れる。

猫は外を眺め、
濡れた世界の輪郭を静かに確かめていた。

男は淹れたてのコーヒーを一口味わい、そして小さく呟く。

「友よ、春の雨上がりは、
心の土までそっと柔らかくしてくれる」

トゥイーブ。

余白の方へ。