夏の夜の虫の声

その夜、外から絶え間なく虫の声が響いていた。

暑さはまだ肌に残り、
空気はゆっくりと、まるで眠りを拒むように流れている。

男は灯炉に火を灯し、
湯気が夏の夜気に溶けていく。

猫は耳をぴくりと動かし、
ひとつひとつの声を拾い集めていた。

男は淹れたてのコーヒーを一口味わい、そして小さく呟く。

「友よ、虫の声は、
夏の夜がまだ目を閉じない証だ」

トゥイーブ。

余白の方へ。