誰かの言葉が残る夜

その夜、ふとした言葉が
胸の奥に残っていた。

良い言葉でも、
少し痛い言葉でもない。
ただ、心のどこかに引っかかる言葉。

男は卓上灯炉に火を灯し、
湯気の向こうにその言葉を浮かべる。

湯気はゆっくり揺れ、
言葉の輪郭を曖昧にしていく。

猫は静かに寄り添い、
その空気を共有している。

男はコーヒーを一口飲み、
小さく呟く。

「友よ、言葉が残る夜は、
そのまま残しておけばいい」

トゥイーブ。

余白の方へ。