春の匂い

その朝、窓を開けると、
まだ冷たい空気の奥に、
かすかな春の匂いが混ざっていた。

男は小さな灯炉に火を灯し、
立ちのぼる湯気の向こうに
季節の変わり目を感じていた。

猫は外の匂いを嗅ぎ、
尻尾をゆっくり揺らす。

男はコーヒーを一口飲み、
静かに呟く。

「友よ、季節は気づかぬうちに変わる。
焦らず、ゆっくりでいい」

トゥイーブ。

余白の方へ。