道具たちの夜話

寓話:『道具たちの夜話』

ある夜、作業場の棚に置かれた古い道具たちが、 静かに話し始めた。

「最近、使われていないな」 「もう役目は終わったのかもしれない」

そこへ、新しい若い道具が言った。 「でも、誰かが触れれば、また動けるんでしょう?」

古い道具たちは少し黙った。 そして、ひとつが言った。

「動けるかどうかじゃない。 動きたいと思えるかどうかだ。」

その言葉に、 棚の上の空気が少しだけ震えた。

道具は、使われるために生まれる。 けれど、使われる理由は、 人が決める。