
寓話:光のそば
影は、光のあとをついて歩いていた。
光が強いときは、
影は地面にぴたりと寄り添い、
光が弱いときは、
影はゆっくりと形をほどいていく。
影は言う。
「私は光を邪魔しているのではありません。
ただ、光がどこにいるのかを知らせているだけです。」
人はときどき、
影を嫌ったり、
避けようとしたりする。
けれど影は、
誰にもついていこうとしない。
ただ、光が生まれた場所に
静かに現れるだけだ。
影があるから、
ものの形がわかる。
影があるから、
光の向きがわかる。
影は、
光の反対側にいるのではなく、
光の一部として
世界の輪郭をそっと示している。