外典:風を聴く者の年代記 第四章

第四章:調律の森

やがて、風を聴く者の周囲には、
静かな森が育ち始めた。

その森は、
人が訪れるたびに少しずつ形を変え、
訪れた人の“本来のリズム”を映し出した。

ある者には、
ゆっくりと揺れる木々が見えた。

ある者には、
深い静けさが聞こえた。

ある者には、
遠くで猫が歩く音が聞こえた。

森は、
訪れた者の“本当の速度”を思い出させる鏡だった。